一生全力モラトリアム

Long long time is ago.

あえかなる世界の終わりに

僕たちは夢と同じもので織り上げられている―

完クリ。一言で言えば超もったないゲーム。
二言で云えば“Rippleとひまわりの為のゲーム”
正直、Rippleをクリアしちゃえばすべての事件、舞台背景を見れるし、歌姫もお嬢も全然要らない。
歌姫もお嬢も舞台に立たされるわけで一応は必要…なんだけど攻略させる必要性が無いという。
ご都合主義じゃないひまわり編が好きかな。やっぱり。
ホントにRippleとひまわりだけ攻略対象にして、5k程度の格安ゲームにしたら良かったと思う。
面白かったしフルプライスでも、良いのかな…うーん。
世界観としてはバルドとデモベを足して割ったような感覚でRippleがアルに何度見えたことか。
「読ませる」ゲーだしなぁ。ここら辺はまぁ。
そうしちゃうと、歌姫の存在意義とかお嬢の存在意義の否定に繋がる部分があるわけですけどだって歌姫は一章全般(OPはいる前までを一章と呼ばせてもらう)お嬢は最後の戦闘の少し、で語られる。その程度でも十分わかるんだよなぁ。
それでも十分世界観は練られているし、MMORPGから殺人事件、果ては倫理問題にまで発展する大風呂敷なゲームだとは思ってなかったので十分一週目は楽しめます。
逆に言っちゃうと8割共通、残り1,2割が個別…?と思われるぐらいだから後々苦しい。CG回収とか。
Ripple初めにクリアーしちゃうと全貌わかりすぎちゃって痛いね、とそれは思うわけで。
選択肢も誰を攻略してるのか判らず、お嬢に至ってはエピローグで個別ルートと判定できると言う…。
歌姫に続いて( ゜Д゜)?!となったエンド。
まぁスタッフロールも出ず、伏線貼りまくられているのに急に話が収束する歌姫エンドなんかよりはマシなんでしょうが…。
そう考えると柚子の立ち位置が微妙すぎる。
“恋愛”としてみるなら柚子が一番恋愛してると思われますがね。
でもどう考えてもRippleが居てこそのエンディングなのでなぁ…。
かといってRippleエンドが良かったか?と聞かれると「ご都合主義だよね、かなり」と答えたくなっちゃいます。
だってどのエンドでもデリートされたような雰囲気を漂わせていたけれど、肝心のEDでは端末に逃げ込みました、ちゃんちゃん♪じゃ…。ナンダッテー!?としか言いようが無い。
Rippleは最高の当て馬であり、最高の相棒。
ひまわりも最後「妹キャラ」にならなければ良かったのに…。
自分の最初で最後の主人を命がけで守るあのシーンは感動です。
青い薔薇に意味されていたのはimpossibleじゃない、夢だ。
瑠璃垣みなもが託した永遠の夢なんだ。
悲しいかな、個別ルートを作り失速、メインキャラのシナリオがかなりのご都合主義の塊で失速、と言う悪循環というか。
+回収し切れてない伏線もそう。
お嬢編だったら『妹』をおざなりにしないでsystem"D"プランのすべてを回収とか柚子なら『黒い三時間』後のなつめの過去とか、ひまわりならsystem"D"プランとアーティストとの出会いとか、Rippleなら『なぜTD社に序盤アタックをかけたのか』とか、学籍を置いている娘は存在するのか、とか。
はじめ学籍の娘は瑠璃垣みなもだと思っていたんですがそうじゃないみたいだし…。
まだまだ細かい粗が目立ったなぁ。ある意味風呂敷を広げすぎた、という感じにも取れますね。
面白いんだけど。
そんでもって、システムが結構微妙。
恋する乙女と守護の楯」のスキップのように場面飛ばしがあっても良かったかもしれない。この共通の長いゲームには。
虎太郎と竜、アーティスト、吉住にも声が欲しかった。
ここまで男キャラが活躍するんだったらば。
前作「処女はお姉さまに恋してる」は舞台が舞台だからこそ男の声は要らなかったけどもこれは欲しいなぁとプレイしていて何回か思いましたよ。
「ONE DAY」は榊原ゆいバージョンが好きです。
ひまわりの為の曲に聞こえますがどうなんでしょう。
万人受けするエンディング曲だと思う。
対照的にOP「ECHO」はアップテンポで初めは好きじゃなかったんですが、いいね。
最後の戦闘時に流れたときはありきたりだけども興奮しましたよ。
それとムービーは見ちゃ駄目、と。
激しいネタバレですよ、あれこそRippleルートMADというべきか。
キャラ的にはみなも>Ripple>ひまわり>>お嬢>柚子>歌姫。
シナリオ的には柚子>ひまわり>Ripple>>(以下)
さて、やるき2始めるかアリスマを始めるか悩んでいるところ。
アフターストーリーが気になります。青薔薇怪盗の。

  • Ripple

面白かったーーーー!!!!!
長かったーーー!
哲学的な部分も残し、又倫理的な部分も残すというハードボイルドなゲームだったなぁと思います。(リップル編だけ見るとね)
もうここまで来てしまったのだ。
このまま何事も無く、ただ過ぎ行く時間が生み出す忘却の中に身をゆだねるなど有り得ない。
ならば…好都合ではないか?
この世の中は結局のところZero-Samゲームだぞ。
一方的に何かを得る機会があるなど幻想に過ぎん。

中盤、柚子と級友たちを事件に巻き込んでしまう訳で、彼女たちに別れを告げるため拳銃を発砲するシーンなんか良かったなぁ。
そこだけ見ると柚子がウザい娘にしか思えないんですけどもね…。
千冬の件もリップルの件も結局「なつめ」にとっては序章にしか過ぎなかった訳で。
ゲームをプレイしていく上で「誘蛾灯」となつめは自身を称するが、結論から言うとやはり物語の主人公なのだなぁと改めて感じる。
平井の死、久瀬の死、RPGゲーム、連続失踪事件、10年前のMMORPGの事故、TD社。
青き薔薇に魅入られた誘蛾灯。
いや、誘蛾灯が青き薔薇に魅入られたのかもしれない。
よくよく考えると序盤にリップルがTD社にアタックをかけるわけですが、何か理由があったんじゃないかと自分では推測して見る。只の遊びじゃないはず。
プレイして思っていたのは「種運命」に似ているな、と。
最終的にアーティストが愛していた「みなも」は電脳世界に脳として生きていた。
しかしアーティストは電脳のみなもを撃ち殺す。
その部分が一番種に似てるなと思ったり。
いや、ナギが某カガリに似てるとかそういうわけじゃなくて。
ナギ自体が後半の鍵を握っているとは思わなかったなぁ。

僕たちは夢と同じもので織り上げられている
We are such stuff as dream are made on...
As our little life is rounded a sleep.
そう、地上に存在するすべてのものは結局は溶け合って、いま消えうせた幻と同様、あとには一片の浮雲も残しはしない
我々人間は、夢と同じもので織り上げられている。
儚い一生の仕上げをするのは、眠りなのだ

OPテーマソング「ECHO」がリップルとみなもをあらわしてると思うんですよ。ホントに。
結局MMOゲームはみなもにとっての「夢」を描いた世界だけれども悲しいことに吉住に利用されてしまうという可愛そうな運命だったわけですが。
内容としては詰め込みすぎじゃないかなぁと思いながら(カルトとかは完全に蛇足だと思う)MMOオンラインは上手く絡めて合ったと思う。
Ripple最後のパスワード入力画面は最高に良かったです。

青い薔薇はimpossibleじゃない。

ビル倒壊は微妙に蛇足の気もしますが。
あそこでRippleが崩壊してひまわりがRippleを組みなおすとかそれでも良かったかもしれない。
あえかなる世界の終わりに=現実の終わりに」なのかもしれないなぁ。
柚子以外は気に入りました。
まぁRipple様最高過ぎてなんとも云えない。
というかアーティストとリップルとみなも、ナギの話だもんなぁ。
そんでもって、ひまわりとリップルのやり取りがホントに良かった。
千冬も鍵を握ってるわけだし。ナギはTDの鍵そのものだし、ひまわりも。
次は柚子か千冬かなぁ。やるとしたら。
最後にナギを持っていくつもり。それおわったらやる気2を♪

  • 千冬

( ゜Д゜)なんだこりゃーーー!?
Rippleエンドで涙腺崩壊間際まで逝ったのに2章までも続かないこの乳眼鏡って…orz
なんなんだ、ホントに…orz
正直、ひまわりとアーティストにも出会いません、家出したRippleは無視、ストーカー犯が死んでよかったね、めでたしめでたし♪
辻褄合わないじゃないか。なつめが殺し屋に狙われるとかそういう部分丸無視ですか。
有る意味Rippleや柚子の忠告、アーティストの忠告を聞いたEnd…とも云えるんだけど、なつめは死体を見ている訳だしもう「舞台に上がっている」状態だと思うんですよ。それなのに…。
伏線張りまくって伏線回収しないというとんでもない展開見れてびっくりだわー。
感想サイトを見る限り千冬と柚子はいらないみたいで。
うん。実は柚子やるの躊躇してるんだ…。
悪い子じゃないんだよ、柚子も千冬も。
ぶっちゃけ3キャラに分けておまけシナリオでクリアぐらいでも良かったのかもしれない…よ?
千冬に関してはホントに。
そんでもって謎に思った伏線。
途中でなつめが身分証明書代わりの学生証を落とすわけですけど、その学生証のデータ見られたら有る意味なつめにとって問題だと脚注にあるのに、何も回収されてない。
Rippleでもそうだったんだけど。
なつめはRippleって言う電脳怪盗を匿ってる訳だし、あまつさえ最後には殺し屋と手を組むことになるわけだし、警察が黙ってるとは思えないんだけどなぁ。
それにTDテクノロジー社がすべての鍵を握ってるわけだし。
TDテクノロジー社の娘、ナギが隠していたんだろうか?とも考えてしまいますねぇ。
どうみてもRippleとナギ、ひまわりの為の話じゃないのかなぁ。「あえかな」は。まぁ柚子やってきまする。

  • 柚子

Rippleも選ばず、ひまわりも選ばないENDと云えば良いんだろうか。
それでいて“向こうの世界”から戻ってきたなつめの話。

なつめ、すまない…。
きっと本当は10年前に消えているべき存在だったのだ。
私は瑠璃垣みなもの夢と共に消えていくべきだった。でもお前は生きてくれ。
そして瑠璃垣みなもの夢が確かに存在したのだと。

せ、切なすぎる…。
一回目のRippleエンドではRippleが消えて、ひまわりあたりがRippleを構成し直すとかだったら良いとか思ったけど、何回か他のルートでRippleの最後の言葉とキスを見ると泣けてくる。

一人の世界は好きじゃないから。

柚子の言葉だけれど、みなも、Rippleに共通する言葉に聞こえるなぁ。
でも、みなもとRippleは有る意味幸せだったのかもしれない。
最後を好きな人に見取ってもらえて。
逆に脳だけ残されてNAIPとして永遠に生き続けるみなもは逆に不幸。
キャラクターとして柚子は微妙なんだけど、通常シナリオとして見たら一番あるべき形なのかもしれない。
ひまわりの「兄さま」はどーも受け付けなかったと云うか。

  • ナギ

短っ!?
エピローグがちょっと違うだけでほぼRippleルートを繰り返しておりましたよ。うへー。
結局ナギエンドは実家の霧ヶ崎家の崩壊と平穏。
最後の吉住との戦闘の間にTD社と霧ヶ崎の家のこと、自分がSystem"D"プランの実験台だったこと、“黒い三時間”の全貌がちょっとだけわかる、程度かァ。
後なんでナギが家族を毛嫌いしているのかとか。
ぶっちゃけ必ずその話は戦闘の前に聞くのでルート云々じゃない気がする。
ナギはリップルのことも知らないし、瑠璃垣みなもについても知らない。
はっきり云って“Magic paradise連続失踪事件”とも関係が無い。
すべてはSystem"D"に関して。
わざわざ殺し屋を雇いSystem"D"プランの対象者を探した、それだけ。
なつめが命を狙われる大本はナギのせいなんですけど…。
結局“妹”と呼ばれるナギの探していた資料は爆破事件で焼失、まったく意味が無い。

あいつはきっと良い主人に出会えたんだよ

この一文を見る限りだとRippleエンド以外はRippleデリートと思って良いんだろうな。
微妙…微妙すぎる…!